メンズエステを経営すると逮捕される？風営法と対策を解説

メンズエステはかなり人気の業種になり、世間でも主流になってきました。

メンズエステでは女性がセクシーな姿で鼠蹊部ギリギリのマッサージを行う印象が強いのではないでしょうか。

市場が大きくなりつつあるのでメンズエステを開業して稼ごうと考えている経営者も多いかもしれません。

しかしメンズエステは度々逮捕されたというニュースも見かけるので、警察に目をつけられやすい業種でリスクが高いと感じているかもしれません。

この記事では、メンズエステ経営で逮捕される理由や、これまでの事例から逮捕されないための対策などを解説します。

メンズエステは法律的にどんな立ち位置？

メンズエステは逮捕された事例が多く違法な風俗のように見えますが、法律を守って経営すれば逮捕されることはありません。

それではメンズエステは法律的にどのような立ち位置にあるのでしょうか。

エステやマッサージを提供するお店

そもそもメンズエステはどのような業種なのでしょうか。

メンズエステは、セラピストが男性客に対してマッサージやエステを提供する場所です。

それ以上でもそれ以下でもなく、訪れた客に対してマッサージを提供するのが、メンズエステの業態です。

性的サービスは一切提供されない

メンズエステは露出度の高い衣装を着た女性が、ヌキなどの性的サービスを行ってくれる場所というイメージがあるかもしれませんが、メンズエステでは一切性的サービスは提供されません。

性的サービスが提供されているメンズエステは違法です。

風営法とは関係ない業種

雀荘やゲームセンターが風営法で定められている業種なので、メンズエステも風営法で定められているように思うかもしれませんが、実はメンズエステは風営法とは関係のない業種です。

風営法で定められた業種は公安委員会へ届出を提出しなければ営業できないという制限がありますが、メンズエステは風営法で定められている業種ではないため、届出を出さなくても営業できます。

しかし風営法で定められていない業種だからこそ、性的サービスは提供できません。メンズエステで性的サービスを提供すると風営法違反で逮捕されてしまいます。

メンズエステで経営者が逮捕されるケースとは？

メンズエステの経営者が逮捕されるニュースが相次いでいますが、メンズエステ自体は違法ではありません。

それではメンズエステが逮捕されてしまうのはどうしてなのでしょうか。

風営法違反

最も多いのが風営法違反での逮捕です。メンズエステは風営法で定められた業種ではありませんが、メンズエステ内で性的サービスを提供していた場合、風営法の届出を出してからでないと営業してはいけません。

また性的サービスを提供できる場所には制限があります。性風俗店の出店が禁止されている区域で性風俗店を運営するのも風営法違反に当たります。

逮捕されているメンズエステ店のほとんどが、届出を出さずに性的サービスを提供しているというパターンです。

メンズエステを経営するに当たって、性的サービスを提供してしまうと逮捕の対象となるので、健全なお店づくりを目指しましょう。

SNSなどの広告で逮捕されることも

メンズエステの集客に欠かせないツールがSNSですが、SNSに投稿するコンテンツによっても逮捕される場合があります。

露出度の高い服を着た女性を使用したコンテンツを投稿したり、性的サービスを提供していることを匂わせる投稿を行ったりすると、実態を調査するために捜査が入る場合もあります。

そこで性的サービスを提供している事実が確認されれば逮捕されてしまいます。

SNSなどに投稿するコンテンツにも細心の注意を払いましょう。

逮捕されたメンズエステの事例紹介

これまで多くのメンズエステ経営者が逮捕されてきました。

過去の事例を見ることで、何に気をつけてお店を経営しなければならないかが明確になります。

続いて、過去に逮捕されたメンズエステ店の事例と対策を紹介します。

禁止区域内の営業で逮捕

 

メンズエステ店と称し禁止地域で風俗店を営業したとして、福岡県警は４日、経営者の福岡市東区の男ら５人を風営法違反（禁止地域営業）の疑いで逮捕した。県警は市内の複数の店舗で、１年間に２億円以上を売り上げていたとみて調べる。

　捜査関係者によると、男らは５～６月、福岡県の条例で店舗型性風俗店の営業が禁止された地域内にある博多区のマンションで、メンズエステ店と称して性風俗店を営業。女性従業員に男性客への性的サービスを提供させた疑いが持たれている。

　ホームページ（ＨＰ）やＳＮＳで客を募集していたが、店の詳しい住所は記載せず、店に電話してきた客をマンションに誘導していた。ＨＰや店内では「風俗的サービスは一切行っていない」などとして、性風俗店ではないように装っていたという。

　県警は昨年、店で性的なサービスが行われているとの情報を基に捜査を開始。今年７月、店舗など関係先を捜索していた。

　福岡県などによると、店舗型性風俗店は、県の条例で、福岡市・中洲などの一部地域を除いて新規出店が禁じられている。一方で、通常のエステ店やマッサージ店は店舗型性風俗店と異なり、公安委員会への届け出が必要ないという。県警は、摘発を逃れるためエステ店を装っていたとみている。

(引用: 読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20221004-OYTNT50064/)

 

性的サービスを提供するためには届出が必要ですが、こちらの事例では表向きではメンズエステと歌いながらも、届出を出さずに禁止区域内に性的サービスを提供する風俗店を出店し、風営法違反で逮捕されました。

風営法では、風俗店を営業できる地域に限りがあります。それ以外の地域で出店すると風営法に抵触してしまいます。

近隣住民の通報から逮捕へ

 

　大阪府内の営業禁止地域にあるマンションの一室で性的サービスを提供したとして、メンズエステ店経営の男ら１２人が逮捕されました。

　風営法違反（禁止地域営業）の疑いで逮捕されたのは、メンズエステ店「フローライトスパ」など３店舗の経営者、金輪和季容疑者（４０）と従業員ら計１２人です。

　金輪容疑者らは８月下旬から９月下旬にかけて、営業禁止地域にある大阪府内のマンションで、男性客に性的サービスを提供した疑いが持たれています。

　警察によりますと金輪容疑者らは、店舗の住所をホームページに掲載せず、ＳＮＳや電話で予約した客に女性従業員が待つマンションの住所を送っていました。

　警察は去年１０月、マンションの管理会社から「マンションの一室に不特定多数の男女が入っていて、気味が悪い」との通報を受けて捜査を始め２５日、性的サービスを提供していた部屋２４ヵ所を摘発しました。

　金輪容疑者は警察に対し「女性に性的サービスを強要させたことはなく、勝手にやっただけ」と容疑を否認しています。

(引用: 朝日新聞 https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_22430.html)

 

メンズエステはマンションの1室を借りてサービスを提供する場合もありますが、住人からすると1つの部屋に見知らぬ男女が頻繁に出入りすることになるため、怪しまれてしまいます。

こちらの事例でも、住人が不審に思い警察に通報したことから捜査が始まり、違法なサービスを提供していることが発覚し逮捕に至りました。

容疑者は女性が勝手にやっただけだと供述していますが、例えそうであったとしても性的サービスを提供した事実に変わりはないため、逮捕の対象となってしまいます。

客に禁止行為をさせ示談金を請求

違法な性的サービスを提供する「メンズエステ」の摘発が全国で相次いでいる。2022年8月には、「女性スタッフにわいせつな行為を行った」と因縁をつけ、金銭を脅し取ろうとした恐喝、恐喝未遂の疑いで大阪府のメンズエステ店の経営者や女性従業員などが逮捕された。

驚くことにこの店舗は、いわゆるこの「美人局」行為を行うために設立されており、開店からわずか2カ月での摘発となった。

この事件では2023年4月時点で、5名の男女が同罪で起訴されている。

(引用: ライブドアニュース https://news.livedoor.com/topics/detail/24078444/)

 

こちらは経営者側に明らかに悪意がある事例です。店に訪れた客に、セラピストに対して禁止行為をさせ、示談金を請求して恐喝したことで逮捕されています。

万が一客が違法な行為を行ったとしても、冷静に対処しましょう。

メンズエステは客が逮捕される事例も

メンズエステは経営者側も逮捕されるリスクがありますが、客が逮捕される事例もあります。

客はどういった理由で逮捕されるのでしょうか。

強制わいせつ罪で逮捕

神奈川県警港北署は２９日、強制性交等の疑いで、川崎市中原区木月祗園町、メンズエステ経営者の男（３６）を逮捕した。

　逮捕容疑は今年４月２４日午後６時１０分から３０分間ほど、横浜市港北区のマンションで東京都目黒区のアルバイト女性（２４）に性的暴行を加えた、としている。男は「性交したのは事実ですが、無理やりではなかった」と容疑を一部否認しているという。

(引用: カナロコ https://www.kanaloco.jp/news/social/case/article-1000922.html)

 

客が逮捕されるパターンで最も多いのが、強制わいせつ罪での逮捕です。強制わいせつ罪とは、相手の医師に反してわいせつな行為を行うことです。

こちらの事例では、アルバイト女性に対して無理やり性的暴行を加えたとして逮捕されています。

メンズエステは性風俗店ではなくマッサージ店ですが、そこで性欲が掻き立てられ反抗に及んだのではないかと考えられます。

盗撮で逮捕

営業許可のないメンズエステ店で女性従業員をスマートフォンで盗撮したとして、福岡県警が同県警の男性警部補（４０歳代）を県迷惑行為防止条例違反（盗撮）の疑いで書類送検したことがわかった。県警は昨年１２月１４日付で減給６か月の懲戒処分とし、警部補は同日付で依願退職した。

福岡県警察本部警部補は２０２０年８月～昨年１月、福岡市内の違法メンズエステ店で複数回、女性従業員がマッサージする様子を動画撮影した疑い。

　また、県警はキャッシュカードを不正利用されると知りながら氏名不詳者に提供したとして、県警の男性巡査（２０歳代）を犯罪収益移転防止法違反の疑いで書類送検した。昨年１２月７日に減給３か月の懲戒処分とし、巡査は同日付で依願退職した。借金があり、見返りを期待していたが、得られなかったという。

　県警はいずれも「公表対象の事案ではない」として発表していない。

(引用: 読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240123-OYTNT50026/)

 

盗撮も立派な犯罪です。性的姿態撮影等処罰法（撮影罪）や迷惑防止条例違反に抵触します。メンズエステで盗撮をしたことで逮捕されている事例もあり、セラピストを守るためにも経営者としては盗撮を予防する対策を講じておき、安心してセラピストに働いてもらえる環境を提供します。

具体的には、盗撮をしたことによる客への罰則をHPに記載する、利用する前に注意事項として盗撮をしたら罰則があることを伝える、といったことが挙げられます。

芸能人もメンズエステで逮捕されている

 

　自宅で出張マッサージ店の女性従業員に乱暴の上、無理やり性交したとして、強制性交罪に問われた元人気俳優・新井浩文被告（41）＝本名パク・キョンべ＝。11月17日、東京高裁での控訴審を終え、実刑判決を免れるのは厳しい情勢となっている。

　新井被告は強面にするどい眼光から、悪役など一癖ある役を怪演することで人気を集めてきた。出世作となった松田龍平とのW主演映画「青い春」では、不良高校生の暴力的な狂気を演じきって映画祭の最優秀新人賞なども獲得。大河ドラマなどにも出演し、人気俳優の地位を確立していた。

(引用: 週刊文春 https://bunshun.jp/articles/-/41729)

 

芸能人がメンズエステで逮捕されたというニュースも話題になりました。こちらは性的サービスがないメンズエステであるにもかかわらず、無理やり性交をしようとしたとして、強制性交罪で逮捕されました。

客の中にもメンズエステは風俗だと勘違いしている人もいるため、サービスを利用してもらう前に一度性的サービスはないことをしっかり伝えておくことで、トラブルを防止できます。

メンズエステ経営で逮捕されないための対策

ここまでメンズエステで逮捕されてしまう事例について紹介してきました。

それではこれを受けて、どうすれば逮捕されることなくメンズエステを経営できるのでしょうか。

性的サービスは一切行わない

メンズエステは風営法で定められていないので、性的サービスを一切提供できません。しかしほとんどの店舗が、裏で性的サービスを提供しているがために逮捕されています。

メンズエステ経営で逮捕されないためには、性的サービスを一切行わないようにするのが無難です。

集客でも性的サービスがあるような見せ方をしない

メンズエステの集客で、露出度の高い女性の写真を使うなどすると、性的なサービスを受けられると勘違いした客が集まってきます。そこで性的サービスがないと客が女性に性的サービスを強要するといったトラブルが生じる可能性もあります。

そのため、集客の段階で性的サービスがあるように客に感じさせるようなコンテンツは控えるように意識しましょう。

露出の高い服を着た女性が広告などに出ていると、それだけでも摘発の対象になる場合もあるので、健全に運営していることがわかる写真などを使用するよう注意してください。

性的サービスを提供したいなら風俗店の経営をする

仮に性的サービスを提供するお店を営業したい場合は、メンズエステではなく風俗店を経営しましょう。

風営法で定められている業種の場合届出を提出すれば性的サービスを提供できます。

近年はネットの発達に伴いデリヘルの出店数が増加しています。デリヘルは場所を問わないので客のターゲットが広く、店舗を構えなくていいため家賃も押さえながら経営できるのが特徴です。

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メンズエステの逮捕に関する質問

ここまでメンズエステで逮捕される事例や逮捕されないための対策について解説してきました。

ここまで解説してきた以外にも、メンズエステに関して様々な疑問があるかもしれません。

ここからはそうした疑問をQ&A形式でお答えしていきます。

従業員も逮捕されますか？

従業員も逮捕される可能性は高いです。お店の実態を知りながらそこに加担していたことになるので、経営者だけでなくスタッフやセラピストも逮捕されてしまいます。

セラピストの場合、店に内緒で性的サービスを提供していることが発覚したら、売春防止法違反に問われることもあります。

メンズエステ自体は違法な業種でしょうか？

いいえ、メンズエステ自体は違法ではありません。

メンズエステは女性セラピストが男性にエステやマッサージなどを提供するお店として定義されています。

そこで性的サービスを提供してしまうと違法になってしまいますが、そうでない限りメンズエステ自体は違法ではありません。

メンズエステでどんなサービスを提供すると違法になりますか？

メンズエステで逮捕されてしまうのは、性的サービスを提供した場合です。

具体的には手コキやフェラ、性行為などは完全に逮捕されてしまう行為です。

また過度に露出した衣装で、胸を男性の身体に押し当てながら施術を行うなど、男性の性的好奇心をそそる行為をサービスとして提供している場合も、逮捕されてしまう可能性が高くなります。

風営法では、店舗型ファッションヘルスを以下のように定義しています。

 

個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業

 

セラピストが男性に身体を押し当てながら施術を行うという行為は、「異性の客の性的公式んに応じてその客に接触する役務」として捉えられる可能性が高く、届出を出さずにこうしたサービスを提供することは風営法違反にあたるため逮捕されてしまいます。

セラピストが自ら売春行為を行った場合はどうなりますか？

セラピストが自ら売春行為を行った場合、お店の経営者も逮捕されてしまう可能性が高いです。

セラピスト1人でもそうしたサービスを提供していたことが発覚するとお店全体でそうしたサービスを提供しているのではないかと疑われてしまいます。その女性が個人の考えでやったという明確な証拠がない限り、経営者も逮捕されてしまう可能性が高いです。

またそのセラピストに関しては、売春防止法違反の罪に問われます。

メンズエステ経営で逮捕されないためには健全なお店を運営しよう

この記事では、今流行りのメンズエステはどうして逮捕される経営者が多いのか、逮捕されずに経営するにはどうすればいいのかを解説してきました。

メンズエステは風営法で規定された業態ではないため、性的サービスを提供できません。しかし多くの店舗で性的サービスを提供しているため、風営法違反で逮捕されています。

メンズエステで逮捕されずに経営するためには、性的サービスは提供せず、健全にお店を運営しましょう。

もし性的サービスを提供するお店を出したい場合は、届出を出して風俗店の経営を行いましょう。

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