これからメンズエステを経営しようと考えていると、風法を順守できず摘発されてしまう不安を抱えているかもしれません。
風営法を正しく理解していれば、摘発されるリスクを最小限に押さえながらメンズエステの経営を行えます。
この記事では、メンズエステ経営において順守すべき5つの項目について詳しく解説します。
目次
風営法におけるメンズエステの立ち位置は?
メンズエステは最近主流になりつつある業態で、サービスとしてリラクゼーションや美容サービスを提供しています。
メンズエステは、疲れを癒しストレスを和らげてくれる場を提供していますが、経営を行う際には注意しなければならない点がいくつかあります。
特に押さえておきたいのが風営法です。
風営法違反により摘発されているメンズエステが後を立たないので、まずは風営法をしっかりと理解し、摘発のリスクを最小限に抑えながら運営することが必要です。
まずは風営法とメンズエステとの関係について解説します。
女性が男性に対してエステ・マッサージを行う場所
メンズエステは、主に女性が男性にエステやマッサージなどのサービスを提供しています。
メンズエステは、「男性のリラクゼーション」を目的としており、エステサービスには全身マッサージやアロマトリートメント、フットマッサージなど、様々な施術が含まれています。
こうしたサービスによって、日常生活の疲労を癒し、リフレッシュしてもらえる空間を提供しています。
性的サービスは本来一切提供されない
メンズエステは風営法などで明確に定義されている業態ではありません。
そのため、風営法に当たるようなサービスを提供するためには、届出が必要となります。
メンズエステはほとんどの場合、風営法の届出を出さずに営業されています。
理由としては、風営法の届出を提出すると、出店地域が厳しく制限され、新しく出店できる地域が限られているという点が挙げられます。
風営法の届出を出していない場合、メンズエステでは本来性的サービスを一切提供することができません。
しかしメンズエステはお客とエステティシャンが個室で2人きりになるため、その中で何が行われているかはわかりません。
それをいいことに、風営法を無視して性的サービスを提供しているメンズエステが多く存在しています。
メンズエステが風営法違反で摘発される理由とは?
メンズエステは風営法に関する届出を出さない限り、性的サービスを提供することができません。
しかし風営法の届出を出すと出店できる地域が厳しく制限されるため、許可を取らずに風俗営業を行っているメンズエステが多いのが実態です。
それではメンズエステ が風営法違反で摘発される理由についてさらに詳しく解説していきます。
性的サービスを提供している
多くのメンズエステが摘発される主な理由は、ずばり性的サービスを提供している、という点です。
国および地方自治体は、性的サービスを提供する可能性のある業態に対して非常に厳しく監視しています。
風営法が規定する内容に反して、性的行為を伴う施術が行われた場合、直ちに摘発される可能性が高まります。
本番行為は風営法に違反し摘発対象となります。その他にも手コキやフェラなどいわゆるヌキ行為は摘発対象となります。
経営者として、全てのサービスが法的に問題ないことを確認する必要があります。何が法に触れるかを正確に理解し、常にそのことを意識して営業を行わなければ、摘発のリスクが高まります。
露出の高い服装でアピール
セラピストが過度に露出した服装で集客活動を行うことも、摘発の要因となります。
特に、集客の一環としてSNSや広告を通じて過激なビジュアルを用いると、風営法に違反していると見なされることがあります。
理由としては、意図せずして顧客に性的行為を連想される可能性があるということが挙げられます。
経営者は店舗のイメージをしっかりと管理し、露出の高い服装についてガイドラインやマニュアルを設定し、スタッフ全員に対して適切な服装がどのようなものであるかを明確に教育することが大切です。
服装の規定をしっかり定めることで、法に触れない安心の営業を実現できます。
裏オプションを提供している
裏オプションとは、顧客に対してメニューには記載しない隠れたサービスを提供することを指します。
これは特に法律に触れる可能性が高く、認識されないままサービスを続けると摘発される可能性が高くなります。
お店はすべてのサービス内容をHPなどで公表し、HPに記載された内容通りにサービスを提供する必要があります。
裏メニューが存在していると、表では言えないメニューだと認識され、摘発のリスクが上がります。
摘発されやすいメンズエステの特徴とは
ここまでメンズエステが摘発されやすい理由について解説してきました。
メンズエステは摘発が多い業態として知られていますが、どういった場合に摘発されやすいのでしょうか。
続いて、摘発されやすいメンズエステの特徴について解説します。
過度な露出でSNSやHPを更新している
露出の高い画像や情報をSNSやウェブサイトで掲載することは、摘発されるリスクを高めてしまいます。
特に、その内容が顧客に対して性行為を連想させるようなものであると、風営法違反と見なされやすくなります。
SNSやホームページの運用において、どのようなコンテンツが適切かを分析し、その基準を設けてマニュアル化しておく必要があります。
例えば、店舗の魅力を伝えるためには、セラピストのリラクゼーションにフォーカスした内容や画像を使用するなど、顧客が安心できる情報を発信するべきです。
過去の体験談や口コミを紹介することで、顧客の信頼感を向上させることにも繋がります。
管理会社の許可なしでメンズエステを運営している
管理会社に無許可でエステを運営することで、メンズエステを運営していることが知られてしまった場合、近隣住民や管理会社とトラブルになることがあります。
トラブルになると警察に通報されてしまい、そこで違法な営業を行っていたとなると、摘発の対象となってしまいます。
許可を取らずに部屋を借りてサービスを提供するのはリスクが大きい行為です。しっかりと管理会社の許可を取った上でメンズエステの運営を行いましょう。
お客とのトラブルが多い
顧客とのトラブルはメンズエステの運営において大きなリスクを伴います。
トラブルが続出することにより、法的措置を取られる可能性が生じ、店舗の運営に支障をきたすことがあります。
こうした問題が悪化すると、最終的に営業停止や罰金などが科されることもあります。
またトラブルによって警察に通報が入り、その際の調査で違法な行為が行われていたとわかると摘発対象となってしまいます。
過去の事例でも、お客とのトラブルが火種となり、違法な営業を行っていたとわかって摘発されたというお店も多いので注意が必要です。
風営法に抵触しないメンズエステを開業するには?
ここまで摘発されやすいメンズエステの特徴について解説してきました。
メンズエステは最近主流になりつつある業態ですが、法律的にはグレーな部分もあり、摘発されているお店が多くあるのも事実です。
それでは風営法を順守し摘発されないお店を作ろうと思うと、どういったことを意識すれば良いのでしょうか。
エステサービスのみを提供する健全なメンズエステ
健全なエステサービスのみを提供する健全なメンズエステの場合、摘発の対象とはなりません。
健全なメンズエステとは、リラクゼーションや美容に特化したサービスを提供する店舗です。
メンズエステを経営する際は、性的な要素を一切排除し心身の癒しを重視した施術を徹底的に行う必要があります。
店舗型性風俗特殊営業の届出を提出
メンズエステは部屋を1室借りて、そこで施術を行います。仮に性的サービスも行う場合、店舗型性風俗特殊営業の届出を提出しておく必要があります。
しかし、店舗型性風俗特殊営業の届出を出すと、出店できる地域がかなり限定されてしまいます。
具体的には、都道府県の条例で定める敷地の周囲200メートル以内の区域が禁止区域として決められています。
そのため、新規出店できる地域がほぼなく、店舗方性風俗特殊営業の届出を出さずに表向きは普通のエステと称して出店し、性的サービスを提供しているお店が多いから摘発されるのです。
無店舗型性風俗特殊営業の届出を提出
メンズエステというとマンションの1室に施術質がある、という形式を思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、無店舗型でもメンズエステの経営は行えます。
無店舗型のメンズエステを開業する場合、無店舗型性風俗営業としての届出を行う必要があります。この手続きは法律に基づくものなので、必ず行う必要があるものです。
届出を出すことで正式に営業を行うことが許可されるため、届出を出さずに営業してしまうと摘発の対象となります。
店舗型性風俗特殊営業を行おうと思うと、届出を出しても新規出店できる場所がほぼないのが実情です。
しかし店舗型性風俗特殊営業の場合は、受付を設けなければ出店できる地域は限定されないので、新しく出店する場合は派遣型のメンズエステだと出店しやすいです。
メンズエステで風営法違反の摘発を防ぐ対策5選
ここまで法律に抵触しないメンズエステを開業する方法について解説しました。
続いて、継業後に風営法に違反して摘発されてしまうという事態を防ぐため、経営面で意識しておきたい点について解説します。
露出の高い衣装での施術・集客を行わない
摘発される理由の1つとして、性的興奮を引き起こす服装でサービスを提供しているというものが挙げられます。
セラピストには適切な衣装を着用させることで、経営側も摘発のリスクを下げられますし、顧客にも安心して施術を受けられる環境を提供できます。
過度な露出を控え、適切で品のある服装を選定することが非常に重要です。
施術だけでなく、集客にも露出の高い服装を着ないようにしましょう。性的サービスを提供するお店だと勘違いされてしまい摘発対象になりますし、それが原因で顧客とのトラブルにも発展しかねません。
裏オプションは設定しない
裏オプションは店舗の正式メニューには記載されていないメニューで、女性が個人で提供している場合もあります。
裏オプションを提供していると、内容によっては摘発の対象となってしまいます。
公式HPにメニューを載せていればいいというわけではありません。「スペシャルコース」のように、抽象的でどのようなサービスを提供するのかわからない場合、裏オプションと見なされ、摘発の対象となる可能性があります。
疑わしいメニューを設けるのではなく、すべてのサービスを公正に提示し、徐々に信頼を築くことが重要です。
許可物件で運営する
メンズエステを運営する物件は、必ず事前に管理会社の許可を取っておきましょう。
許可されていない物件で営業していた場合、管理会社と揉める原因になります。
そこから警察に通報されてしまうと、サービス内容の詳細なども詳しく調べられ、もし法に触れる営業を行っていた場合、摘発の対象となってしまいます。
許可物件を探すのは少しハードルがあるかもしれませんが、後々のことを考え管理会社の許可を得た上で営業するようにしましょう。
セラピストへの教育を徹底する
セラピストに対して風営法などを遵守してサービスを提供するようにしっかり教育しておくことも必要です。
特にサービス内容に関しては徹底的に指導しましょう。ヌキ行為があると風営法に違反することはもちろん、過度に胸を押し付けたり、足で男性器を触ったりという行為も風営法に抵触する可能性があります。
こうしたサービスは提供しないよう、徹底的に教育を行いましょう。
また、服装に関してもしっかり指導しましょう。特に写メ日記やSNSを更新する場合、過激な服装でSNSなどに投稿してしまうと風営法違反で摘発されてしまう可能性があります。
初めのうちはお店側で写真を投稿してよいかチェックしてからアップする体制を取れると、摘発のリスクを最小限に抑えながらお店の運営ができます。
風営法違反で摘発されたメンズエステの事例
摘発されたメンズエステの具体的な事例を見ることによって、どういった理由で摘発されたのか、どのような対策を講じればよいのかが見えてきます。
ここからは、東京都で摘発された3つのメンズエステについて、摘発された原因などについて見ていきます。
メンズエステ小悪魔お姉さん
東京都目黒区のマンションで違法にメンズエステ店を経営したとして、警視庁目黒署は風営法違反(禁止区域営業など)の疑いで、渋谷区恵比寿西の会社役員、酒井勇(ゆう)容疑者(40)を逮捕した。「もうかるからやった」と、容疑を認めている。
逮捕容疑は7月3~14日、営業禁止区域である目黒区東山のマンション一室で、男性客に対し性的サービスを提供するメンズエステ店「メンズエステ小悪魔お姉さん」を営んだとしている。
同署によると、酒井容疑者は同様のエステ店13店舗を経営。令和4年10月~今年6月末に約4億円を売り上げていたという。今年1月、署に「(同マンション一室の)様子がおかしい」との情報提供があり、捜査していた。
(引用: https://www.sankei.com/)
この店舗は、禁止区域内で風俗営業を営んだとして摘発されました。風俗営業を行うには性風俗特殊営業の届出を出した上、禁止区域外で営業を行う必要があります。
ただし、禁止区域はかなり厳しく設定されていて、新規出店が難しいのが現状です。そこで禁止区域内にもかかわらず風俗営業を行ったとして、こちらの店舗が摘発されました。
スラリとした美人さん
世田谷区成城のマンションは法令で店舗型性風俗特殊営業の禁止営業地域になっている。だが、両容疑者は共謀の上、痩身や脱毛などのようなエステサロンの施術だけでなく、性的なサービスも提供していたというもの。
「川路容疑者が男性客の性的好奇心に応じていたといいます。渡邊容疑者は成城学園前店のほかに6店舗を経営していたが、すべて風俗禁止区域の住宅街での出店だった。2022年4月から30人ほどの従業員を雇って合計7000万円以上を売り上げていたとも。昨年6月ごろの情報提供で逮捕に至った」(全国紙社会部記者、以下同)
メンズエステを紹介するサイトでは、同店の価格帯は“100分で1万6000円~”という表示も。また本誌が同店のホームページに掲載されていた成城学園前店以外の店舗を訪れるも、そこに店はなく、いくつかは存在すらしない住所だった。
「警察の摘発を逃れるために、故意に虚偽の住所にした可能性もある」
警察の取り調べに対して、両容疑者とも容疑を認めていて、渡邊容疑者は、
「住民の所得や、他店と競合の少ないことなどを総合的に判断して出店した」
などと供述しているという。
(引用: https://news.livedoor.com/)
こちらの店舗も禁止区域内にもかかわらず風俗営業を行っていたとして摘発されました。虚偽の住所を用いて届出を出していたが、住所が特定され摘発に至っています。
東京アロマエッセンス
東京・六本木の風俗営業が禁止されている地域で、性的サービスを提供するメンズエステ店を営業した疑いで、経営者の男ら2人が逮捕された。
メンズエステ店「東京アロマエッセンス」の経営者・関浩一容疑者(32)と従業員の女は、6月2日、港区六本木の風俗営業の禁止地域にある店舗で、男性客に性的なサービスをした疑いが持たれている。
警視庁によると、関容疑者はこの店のほかにも、2022年6月以降、都内で6つのマッサージ店を経営し、多い時には1カ月で5,000万円の売り上げがあったとみられているが、調べに対して、「性的サービスの指示はしていません」と容疑を否認している。
(引用: https://ameblo.jp/)
こちらのメンズエステは、性的サービスを暗示するような過激な宣伝を行ったことが原因で摘発されました。
また掲示板や口コミでも、本番行為を示唆するような書き込みがあったため、警察に目を付けられて摘発の対象となりました。
風営法を順守して摘発されないメンズエステ経営を
この記事では、メンズエステを開業する際に注意したい風営法について解説してきました。
メンズエステは女性が男性にマッサージを提供する業態で、それ以上のサービスを提供するとなると、性風俗特殊営業の届出が必要となります。
ただし届出を出すと禁止区域が厳しく制限されるので、その区域内で出店しなければなりません。
メンズエステを開業してから摘発されないように経営するには、サービス内容をクリーンにして、健全な運営を行わなければなりません。
この記事を参考に、摘発されないメンズエステ経営を心がけましょう。
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